VVVF製作所

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 CADで作る鉄道模型(東武8000系 その11)

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3Dプリンターを使用して、オリジナルの鉄道模型を製作します。製作するターゲットは東武8000系の原型顔で、縮尺は1/45(Oゲージスケール)です。車体の形状はCADソフトでモデリングします。

3Dプリンターで造形した東武8000系の鉄道模型を組み立てる

今回は、これまでに3Dプリンターで造形した東武8000系の車体・屋根のパーツを組み立てます。 3Dプリンターで造形した東武8000系のパーツ(クハ8111) クハ8111の前面、側面、屋根の各パーツを展開図のように並べてみました。こうして海側と山側の側面パーツを比較すると、乗務員室扉の高さが左右で異なることがよくわかります。乗務員室扉の位置が高いのは、車掌台側と比べて運転台側の床面が高くなっているためです。


3Dプリンターにより造形した鉄道模型の各パーツは、ほぼ設計通りの寸法で出力されていますが、サポート材を除去した際の凹凸や造形時の若干の寸法誤差があるため、やすりで削る必要があります。また、接着剤で各パーツを接合する際に、パーツ端部を整える必要があります。 フィニッシングペーパー180番(タミヤ製の紙やすり) 使用した紙やすりは、タミヤ製のフィニッシングペーパー(180番)です。かなり粗目の紙やすりですが、積層ピッチ0.1mmで造形したパーツの表面の凸凹は大きく、積層痕を消すにはある程度粗目の紙やすりを使用したほうが捗ります。


屋根パーツの裏側(東武8000系) 屋根パーツの裏側です。パーツの端部は、側面パーツと接合するための「のりしろ」です。造形時には下側になっていた面なので、表面が荒れています。
パーツ同士を強固に接着するには、表面を滑らかにすることが重要ですので、電動工具ややすりを用いて入念に整えます。


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PLA樹脂製のパーツを接着剤で組み立てる!

3Dプリンターで造形したパーツは、PLA樹脂でできています。このようなPLA樹脂製のパーツは、タミヤセメントなどのスチロール樹脂系接着剤や、ABS用接着剤などではうまく接着できません。
PLA樹脂製のパーツ同士を接合するために用いた接着剤は、こちらのアクリル樹脂用接着剤です! アクリル樹脂用接着剤(PLA樹脂パーツの接着) こちらのアクリル樹脂用接着剤「光 アクリル接着剤(ABN-1)」では、PLA樹脂でできたパーツ同士をかなり強固に接着することができました。ただし、速乾性が高いので素早く作業をする必要があります。


東武8000系の鉄道模型の組み立て(アクリル樹脂用接着剤) フィニッシングペーパーで平滑にしたパーツの接着面に、アクリル樹脂用接着剤を塗布して接着します。接着面が平らになっていないと、パーツ同士が面で接触せずに強度が落ちたり、接着に失敗することがあるので気を付けましょう。

まずは、東武8000系の前面パーツと海側側面パーツを接着しました! 接合部が固まるまで、しばらく放置しておきます。


3Dプリンターで造形した東武8000系の鉄道模型を組み立てる(屋根と車体の接着) 続いて、屋根パーツを接着します。屋根パーツは、3Dプリンターで造形した際に少し反ってしまいました。折れない程度に力を加えて、反りをある程度は修正しておきました。

前面パーツの裏側と、屋根パーツの裏にある「のりしろ」にアクリル樹脂用接着剤を塗布し、しっかりと接着します。


3Dプリンターで造形した東武8000系の鉄道模型を組み立てる(山側側面パーツの接着) 反対側の車体側面パーツ(山側)も同じように接着しました。パーツ同士が合わない部分は、端部を削ったりしながら調整していき、ぴったり接合できることを確認してから接着剤で固めます。
ちょっとした手間をかけるかどうかで、最終的な仕上がりが大きく左右します。


3Dプリンターで造形した東武8000系鉄道模型の車体断面(Oゲージ) 車体の断面やパーツの接合部はこのようになっています。CADで車体を設計した際には、車体が肉厚にならないように考慮してパーツの分割方法を決定したため強度が少し心配でしたが、実際に造形してみた結果を見るかぎり問題なさそうです。
ただ、3Dプリンターによる造形時に下側となる面が荒れやすい影響で、屋根パーツが若干厚くなってしまいました。パーツ接合部の近くにある雨樋の凹凸がほとんどなくなってしまいましたので、今後は設計にフィードバックしたいです!

次回、電飾に向けた遮光塗装とサーフェイサーによる下地処理を行います!


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