CADで作る鉄道模型(東武8000系 その10)
3Dプリンターを使用して、オリジナルの鉄道模型を製作します。製作するターゲットは東武8000系の原型顔で、縮尺は1/45(Oゲージスケール)です。車体の形状はCADソフトでモデリングします。
東武8000系の鉄道模型を3Dプリンターで造形する(屋根)
海側車体側面に続き、クハ8111の山側車体側面と屋根・屋上機器のパーツを3Dプリンターで造形します。 出力直後の屋根パーツです。逆L字型の列車無線アンテナや、東武電車に多く見られるタイプの分散型冷房装置(RPU-3002型)が特徴的です。冷房装置の上部ファンなどをもっと精密に再現すると格好良くなりそうですね。
屋根パーツを3Dプリンターのステージから剥がし、列車無線アンテナのサポート材をピンセットで取り除きました。 クーラーキセの上部に4箇所ある取っ手の部分は、造形時に潰れてしまっているので、モデルの修正が必要のようです。細かく入り組んだ構造や極端に細いパーツの造形は、欠陥が生じやすいです。今回製作したクーラーキセの場合、手摺り部分の窪みだけ造形し、取っ手は真鍮線などで再現したほうがリアルになりそうです。今回は試作品ですので、このまま組み立てていきます。
前回記事の海側側面パーツは、ドア窓の寸法が若干ずれていたので、微調整を行いました。また、山側は積層ピッチを0.2mmに設定して造形してみました。 造形物の仕上がりが粗くなる反面、3Dプリンターによる造形時間を短縮できます!
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ステージから剥がした、クハ8111の側面パーツ(山側)です。 電車の側面のような平面的なパーツを3Dプリンターで造形する場合、多少積層ピッチを粗くしても、あまり問題無さそうです。実際に出力してみて、積層ピッチを0.1mmに設定した場合と比べても特に遜色ありません。肩部のRは若干積層痕が目立ちますが、パテで簡単に埋められるレベルなので、印刷時間の短縮による効果のほうが大きいように感じます。
こちらは印刷が開始してから数時間が経過した状態で、ドアの面が印刷されています。印刷密度を低めに設定すると、造形物の内部は網目状に充填され、フィラメントの消費量を抑えられます。あまり強度が必要ない部品を出力する際には、なるべくフィラメントを節約したほうがいいです。
また、積層ピッチは最も細かい0.1mmとしました。積層ピッチを細かくすると綺麗に出力される一方で、造形が完了するまでは時間がかかります。
サポート材除去後の客室側です。客室側のドアや窓の段差も、一応再現しています。ドアの取っ手もモデリングしたのですが、こちらはほぼ潰れてしまいました。紙やすりで凹凸をなくすように削り、表面を整えます。
3Dプリンターで造形した東武8000系の鉄道模型を仮組みする!
いよいよ、これまでに造形した東武8000系のパーツを組み立てていきます!
パーツの合いを確認するために仮組みをしてみました! 箱にするとかなり電車らしくなり、喜びを感じる瞬間です(笑)
見苦しくて申し訳ありませんが、単純にセロハンテープで仮止めしています。屋根のパーツが少し反っているのと、前面パーツと側面パーツがぴったりと合わないのが気になります。
次回、パーツの接合部を整えて、本組み立てと塗装準備を行います!
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