東洋GTO-VVVFインバータの機器箱を製作する
三相誘導モーターを可変速駆動するため、三相交流の電圧と周波数を自在に調整できる装置「VVVFインバーター」を製作し、本物の電車と同じ仕組みでモーターを駆動するシステムを構築します。今回は、CADと3Dプリンターを使用して、東洋GTO-VVVFインバータの外箱を設計・製作してみました!
モデルとなる東洋GTO-VVVFインバーター
実際の東洋電機製GTO-VVVFインバータ装置がこちらです。 画像は東武20050系の1C8Mタイプです。今回は、これよりもやや小型の京急600系の一部や東急1000系に用いられる1C4M(1つの制御器で4つのモーターを制御する)タイプを再現します。
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東洋GTO-VVVFインバーターの筐体を設計する
VVVFインバーター外箱の設計には、Design Spark Mechanical を使用します。
今回製作するVVVFインバーター装置の機器箱は、左側の端部にゲート制御部と銘板があり、右側に三相分のパワー素子(GTO)と大型のヒートシンクが配置されています。
まずは、大まかな外形をモデリングしてみました。放熱フィンの周囲にある金網は、3Dプリンターに造形する際に細すぎるとうまく出力できないため、目の細かさなどを調整しています。また、機器を電車の床下に吊り下げるためのボルトを取り付ける突起なども設けました。
各相の放熱フィン上部にあるボルトや、「U」「V」「W」とそれぞれ示されている銘板を設けます。
床下機器の塗色はだいたい黒かグレー系の地味な色ですが、銘板はステンレス製なので、造形後に塗装するとアクセントになるかもしれませんね!
また、左側にあるゲート制御部の点検蓋とハンドルをモデリングしました。 この状態で外形は完成です! 機器箱の側面や上面、底面などは3Dプリンターで造形するメリットが少ないため、あとでプラバンなどで製作します。
3Dプリンターで東洋GTO-VVVFインバータを造形する
機器箱のモデリングが完了したので、3Dプリンターで実際に形にしてみます。出力サイズが大きいため、分割して造形します。 こちらはVVVFインバーターの右半分(V,W相)を造形した状態です。網目もしっかりと造形できていて、ひと安心です(笑)。
同様に3Dプリントした、VVVFインバーターの左半分(ゲート制御部,U相)です。これを先ほど製作した右半分と、アクリル接着剤で固定すると・・・
東洋GTO-VVVFインバーターの前面部ができました! 出力サイズが大きいためか、若干反ってしまいましたが、修正可能な範囲なのでこのまま進めていきます。
次回に続く